「統合失調症における動機付けが社会機能に与える影響」についての論文がJournal of Psychiatric Researchに受理されました。

2020/12/11

私たちはMEICIS研究・実践の開始前から、精神疾患における早期のリカバリーに向けて、動機付け(モチベーション)の果たす役割に着目して研究を行ってきました。統合失調症において動機付けは、疾患の中核症状として病態生理の解明だけでなく、認知リハビリテーションの効果を促進する可能性があるとして注目されています。このたび、統合失調症における動機付けが社会機能に与える影響に関する論文が、Journal of Psychiatric Researchに受理されました。

自己決定理論における動機付けは、報酬や罰に対する「外発的動機付け」、内なる興味や関心に対する「内発的動機付け」、そもそもの動機付けられにくさを示す「無動機付け」に分けられるとされています。本研究では、社会生活における活動を幅広く調査するSocial Functioning Scaleという尺度を用いて社会機能を評価し、統合失調症における社会機能が、対人関係を含むか否かの二因子からなることを明らかにしました。そのうえで、各動機付けはそれぞれの社会機能に対して異なる影響を持つ可能性が示されました。

今後、社会機能の向上、ひいてはリカバリーに向けて、各動機づけの役割を考慮した認知リハビリテーションなどの具体的な手法を検討していきたいと考えています。

Journal: Journal of Psychiatric Research (https://www.journals.elsevier.com/journal-of-psychiatric-research)

Title: Effects of motivation domains on social functioning in schizophrenia with consideration of the factor structure and confounding influences

Authors: Takashi Uchino, Takahiro Nemoto*, Akiko Kojima, Youji Takubo, Yumi Kotsuji, Eriko Yamaguchi, Taiju Yamaguchi, Naoyuki Katagiri, Naohisa Tsujino, Kuniaki Tanaka, Masafumi Mizuno (* Corresponding author)

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