統合失調症の急性期における認知リハビリテーションの有用性に関する論文が電子版掲載されました。

2020/04/07

私たちはMEICIS研究・実践の開始前から、精神疾患の早期段階における相談や治療法の開発を行ってきました。

この度、統合失調症の急性期における認知リハビリテーションの実行可能性と患者さんの受容に関する論文が、Early Intervention in Psychiatry電子版に掲載されました。統合失調症の治療において、近年認知リハビリテーションによるリカバリーの促進が期待されています。一方で、統合失調症において早期段階(疾病の早期、および各エピソードの早期)の治療が予後を決定づけることも知られています。これまで統合失調症における認知リハビリテーションは、回復期以降および慢性期に専ら実施されていましたが、上記の知見を考慮するならば、急性期において認知リハビリテーションを行うことの合理性が考えられます。しかし、精神病症状の増悪や意欲障害の問題など、急性期の実施には乗り越えるべき障壁も複数あります。

そのような背景を踏まえ掲載の研究においては、既に私たちが開発していたワークブック形式の認知リハビリテーションプログラムを改良し、研究参加に同意していただいた入院から2週間以内の患者さんに実施しました。その結果、比較的高い導入率、継続率がみられ、患者さんの受容れや評価も良好でした。

急性期における認知リハビリテーションの報告はこれまでなく、今後更なる慎重な検討とともにその普及が望まれます。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32219993

このページの先頭へ戻る