福井(山口)英理子先生が日本精神神経学会学術総会 優秀発表賞を受賞しました。

2022/06/28

6月16日から18日にかけて福岡国際会議場(福岡市)で開催された、第118回日本精神神経学会学術総会において、福井(山口)英理子先生がMEICISプロジェクトに関する発表演題「民族アイデンティティからひもとく日本に在住する日系ブラジル人高校生のメンタルヘルスの特徴」にて、優秀発表賞を受賞しました。

MEICISの研究活動として在留外国人にも対応した地域包括ケアシステムの構築を目指す中で、日本で暮らす外国人がメンタルヘルスに問題を抱えた時、適切に医療機関を受診できていない可能性が明らかになりました。そこで、京浜地区や東海地方に集住する日系ブラジル人のコミュニティにおいて、自身のルーツに関わる国に暮らす外国人の、民族アイデンティティとメンタルヘルスの関連について調査を行い、本学会で発表しました。

調査の結果、在留日系ブラジル人は同じ地域に住む日本人と比較して、有意に精神的健康度が低いことが明らかとなりました。これまで、同じ地域の日本人の精神的健康度と比較した先行研究はみられず、新たな知見となりました。また、日系ブラジル人の中でも民族集団への帰属意識が低い人たちは、帰属意識が高い人たちより精神的健康度が低いことが示されました。これらの結果から、在留日系人をはじめとする国際移住者が健康な生活を維持していくにあたって、民族帰属意識に配慮したケアとサポートを行うことは、メンタルヘルスの不調の予防につながると考えられました。

MEICISの活動として、日系ラテンアメリカ人を対象とした各地での心理相談会を継続し、メンタルヘルスの課題を明らかにしながら、地域で暮らす外国人を社会で支える取り組みの構築を進めてまいります。

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