第118回日本精神神経学会学術総会でMEICISのシンポジウムを開催しました。

2022/07/05

第118回日本精神神経学会学術総会(会期:6月16~18日、会場:福岡国際会議場)において、MEICISに関するシンポジウム「『精神障害にも対応した地域包括ケアシステム』における早期支援・相談の社会実装」を実施しました。初日の朝一番の開催にもかかわらず、Web参加も含めて大変多くの方々にご参加いただきました。

MEICIS各サイトの発表を踏まえて、実装科学(implementation science)からの検討を加え、MEICISの活動を社会実装していくための方策などにつき議論しました。

これまでの活動を振り返り、そして新たな一歩を踏み出す、とても有意義な時間を過ごすことができました。

引き続きご支援の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

[コーディネーター]

根本 隆洋(東邦大学医学部 精神神経医学講座)

辻野 尚久(済生会横浜市東部病院)

 

[司会 (座長)]

田中 邦明(メンタルクリニック三叉路)

根本 隆洋(東邦大学医学部 精神神経医学講座)

 

[シンポジスト (発表者)]

内野 敬(一般社団法人SODA)

清水 徹男(秋田県精神保健福祉センター)

藤井 千代(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)

今村 晴彦(東邦大学医学部社会医学講座衛生学分野)

 

[企画の主旨]

「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築が各地で進められつつあるが、同システムを持続可能(sustainable)なものとするには、その入口と出口を考慮する必要がある。すなわち、早期介入(early intervention)の概念と実践を包含することにより、精神疾患の顕在発症を予防し、仮に発症した際も良好な予後の獲得により、システム利用の「卒業生」へと導きうる。認知症施策において「共生と予防」がその柱とされたことからも首肯されよう。これらの背景をもとに、さらに地域特性を踏まえた、早期相談・支援サービスを備えたボトムアップ式のシステム構築を目指し、MEICIS(Mental health and Early Intervention in the Community-based Integrated care System)プロジェクトと銘打ち、研究・実践を継続してきた。本邦における地域特性の典型を反映している、足立区、秋田県、所沢市、京浜地区をモデル地域として選定し、有機的な地域連携を築きながら活動している。足立区サイトにおいては、豪州をモデルとした若者に向けたワンストップ型相談サービス「SODA」を開始し、各種メディアにも取り上げられ大きな反響を得た。秋田県では人口動態や地勢を踏まえてWeb会議システムをいち早く取り入れ、県精神保健福祉センターと保健所を結ぶ「AMIN(Akita Mental health ICT Network)」を構築し技術支援を行っている。所沢市ではアウトリーチ型早期相談サービスをアクティブに展開している。本シンポジウムでは、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムに、如何に早期相談・支援を組み入れ有用に維持していくかについて、プロジェクトから得られた知見を整理し検討したい。その際、近年注目を集める実装科学を取り入れ、より具体的で現実的な、本邦の精神科早期介入の在り方について議論を深めたい。

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