第43回日本社会精神医学会(2025年3月13-14日、浜松町コンベンションホール)において、「わが国の在留外国人のメンタルヘルス―その課題と展望」と題したシンポジウムを開催しました。わが国の取り組みを世界と比較しながらさらに検討を深めていく必要性など、今後に向けた活発な議論がなされました。
シンポジウムテーマ:
わが国の在留外国人のメンタルヘルス―その課題と展望
オーガナイザー:
藤井千代(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)
根本隆洋(東邦大学医学部精神神経医学講座/東邦大学医学部社会実装精神医学講座)
【企画趣旨・ねらい】
わが国の総人口が今後1億人を割り込む予想の中、単身高齢者と在留外国人が増え、2050年にはそれぞれ1000万人を超えると言われている。在留外国人は2023年度に予想を上回る33万人の増加で、過去最多の341万人に達した。しかし、彼らの賃金は日本人より3割程低く、日本語を話せない者は6割に達するといわれる。一方で、本国と日本で得られる所得の差は縮まりつつあり、この先増加数は鈍化して、2030年には外国人労働者の不足数が77万人になるとの試算もある。今後は、どのようにして外国人に日本に来てもらい、どのように日本人が外国人を受け入れ、どうすれば外国人に日本に長く居てもらえるかを考える必要がある。現状において、多くの在留外国人が経済的困難や孤独を抱え、心のケアやサポートを必要としていると考えられる。本シンポジウムでは、在留外国人がアクセスしやすく、そして彼らに手の届くメンタルヘルスサービスと多文化共生社会の構築について、各領域の専門家の視点を通じて多面的に捉え、その課題と展望について議論を深めたい。
座長:
藤井千代(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)
山澤涼子(医療法人財団厚生協会大泉病院精神科)
S7-1:
在留外国人のメンタルヘルスクライシス:
川崎市精神科救急と退院後支援の利用実態から
石井 美緒1,2)、福井 英理子1,3)、柴崎 聡子1)、竹島 正1)
1)川崎市健康福祉局総合リハビリテーション推進センターこころの健康課
2)横浜市立大学医学部精神医学教室
3)東邦大学医学部精神神経医学講座
S7-2:
在留外国人のメンタルヘルスニーズに関する調査から
根本 隆洋1,2)、Tsoh Janice Yusze1,2,3)
1)東邦大学医学部精神神経医学講座
2)東邦大学医学部社会実装精神医学講座
3)University of California San Francisco School of Medicine, Department of Psychiatry and Behavioral Sciences
S7-3:
移住者への多文化精神科診療の実践方法
~韓国語外来の診療経験を通じて~
李 創鎬1,2)
1)医療法人泉心会泉保養院 2)四谷ゆいクリニック
S7-4:
在留ラテンアメリカ人を対象としたメンタルヘルス相談を通した検討
福井 英理子1,2)、小野坂 益成3)、川下 貴士3)、丸山 昭子3)、三浦 左千夫4)、根本 隆洋1,2)
1)東邦大学医学部精神神経医学講座
2)東邦大学医学部社会実装精神医学講座
3)松蔭大学看護学部
4)NPO法人MAIKEN